机上に踊る胆と熱

中小企業診断士試験についての(役に立つ)所感

暗記戦、用意。

 昨日、セガレ(小6)と車移動中にモクモクと起ちこめる煙を発見しました。セガレは「雲か」と言いました。大人の私は「雲か、たき火か、野焼きか、火事か」と言いました。なんの話だコンチクショーなんですけども今回は、判断の前提としての「暗記のお話」を致します。「雲」しか暗記出来ていない者と、「雲、たき火、野焼き、火事」の4種類を暗記している者ですが、試験ではどっちが有利ですか?ってなお話になりそうです。

 ・・・・ところで「何が肝心なことかを理解している人」のことを、大人と定義したのは福沢諭吉さんらしいんですが診断士一次試験の学習に於いて、肝心なことはいったいナンだろうか。

 「雲か」という、ひとつの可能性しか出せなかった小学六年生に対し、大人の私が4つの可能性を出しえたのは、それらを暗記していたからです。暗記していると瞬時に、多数の可能性を出して、そして、絞り込めるのです。的中率は当然ながら、アップします。さらには4つの要素が脳内にあることで5番目の可能性、たとえば「工場の煙」という結論すらも類推して、出すことが可能になります。これは「雲」という一要素しか暗記していない者には、出来ない芸当になります。

 さて、誰かが診断士一次試験を「7つの資格を同時に取得する試験だ」と言ったとかでして、自分を振り返ると確かにそんな、難易度と学習量になるんじゃなかろうかと思ってます。求められる覚悟の度合いは、そこそこ高いものですよ、診断士試験は。稀に「過去問3周で合格しましたよ~」な天才もいますけども、私のような普通人には向かない(&危険な)アドヴァイスなのかなあ、と。8月第1週週末までに合格基準到達の知識量を身に付ける必要があり、しかも分量7科目なんですけども、経験談を基に口スッパクして強調したいのは、暗記です。丸暗記至上主義を掲げることを、お勧めします。たいへんに思えるでしょうけども結局は、それが最もラクだと考えますし、ラクに感じないのは肚(はら)を括っておられないためかもしれません。

 ・・・・・一見すると暴論に映るでしょうけども、この話をつづけます、丸暗記至上主義。

 学習期間中にビックリしたことがありまして、一次試験動画を視聴してましたが「暗記はダメですよー理解ですよー」と言ってた講師の方、おられたんですが、その同じ彼が直前模試の解説では何を言っておられたかと云うと、

 

 「今回は、暗記してたかどうかが勝負の分かれ目デシタ」と・・・・・・

 

 「ええ!?そうだったの!?」でしょう。しかも、爽やかにそう仰ったんですから・・・・・・・おいおいあんた、普段はなにを言ってた?( ゚Д゚)「理解>暗記」とか言ってませんでした?( ゚Д゚)なんですが結局は、やはり、そうなんです。そして「肝心なこと」を考えてみますに一次試験、結局のところ、「知識量になる」と結論されると思うのです。自信を持って断言しますが直前期に入れば大凡皆さんも、そう、結論すると思えます。生活の心地よさ・快適さではなく、あくまでも目的を「試験合格に置く場合」では暗記ですが、たいへん有効です。暗記してたかどうかが勝負、分けて仕舞うんです。

 暗記の大切さはまた、直前期の受験生を見ているとよく分かります。ラスト1カ月の時期に受験生、どなたも必死でやってることってテキスト黙読じゃなく、暗記なのです。直前期にようやく気づくんですね、暗記戦の得点効率の良さを・・・・・・そして「時間が足りね~」とか言いながら必死に、覚えようとしている。私はその時、思いましたね、「普段から暗記してたら結局はラクだった」と・・・・・・・・

 さて本日は、11月7日です。一次本番まで残り9カ月になりました。もう少し暗記戦のことに、触れてみます。ゲンナリするでしょうけども、しょうがない。甘言を弄してはミスリード、しちゃいますし結局それは、ムダな学習になりますからね。なので、つづけますよ、書いてる私もゲンナリですが。

 つづきです。私は学習当初、「理解するから暗記が容易になるんだ」と誤解してました。だから最初は暗記ではなく、テキストを読んで理解していこうと、していたんですがこれはかなり、非効率でした。理解する→暗記できると誤解しているうちはそもそも、得点も伸びないうえに理解も出来ていない、そんなモンだと気づかされましたが、A(1種類の情報)を暗記している人とABC(3種類の情報)を暗記している人がいると、仮定しましょう。前者は結局理解が進みません。後者は理解が進むのですが、そもそも理解ってのは、「前提として暗記が必要なもの」なのです。どういうことか?

 理解とは脳内の繋がりのことなんですけども、A+B+Cの情報を暗記して初めて、そこに繋がりが生まれます。生まれた繋がりから脳味噌が「あっ!」となる、それが理解ですんで、学習の順番にて「理解する→暗記できる」な思い込みがあるうちは、来年8月第1週に泣く可能性が大でしょうかね。「暗記する→理解できる」という順番に早急に気づけると、私のような凡才でも天才と伍して戦えるようになります。

 起ち上がる煙を見て「雲か?」という可能性だけしか想起出来ぬ者と「雲か、たき火か、野焼きか、火事か」と多想起出来る者とが試験を受ければ、勝敗は自明だと思います。さらに後者は4つの情報から、5番目の可能性をも導き出せるようになりまして、試験業界で云う応用力とは、これのことだと思うのですが「雲でもたき火でも野焼きでもなさそうだ。火事でもなさそうだ」と脳が瞬時に判断し「そうなると、やはり、小さな工場の煙かもな」と判断が円滑化してきます。そしてこれが、6割ゲットに必要な応用力です。そうなるためにも今回私は、皆さんに「暗記戦用意」をお勧めする次第。たいへんではありますがはやく肚をくくった者が、有利ですし結局はラクなんです。

 

追伸:

 ところで「暗記か、たいへんそうだな~」な方は早急に、受験を諦めることをお勧めします。いや、冷淡に思えるかもしれませんがそれが結局は、親切提言だと思えるんですよ、この試験は。資格試験受験ってのは、家庭を犠牲にするわけですよね。中途半端な覚悟で診断士試験、臨むくらいなら止めておくべきです。試験なんて、落ちたらタダの人なんですが診断士試験は「タダの人以下」ですよ。(女房子供を泣かせているワケなんですからね)苦労自慢する趣味はナイんですが、そんな私でもグチりたくなる、そんな試験だったってことだけはお伝えしておきたいし、暗記くらいでひるんでいるくらいならば受験は諦め、代わりに家庭サービスを充実させるべきです。なにも診断士試験だけが、人生ではナイのですからね。中途半端がいちばん良くないです。

事例IIIを「貯金科目化」した上で「疲労回復のための癒しの時間」にすることは出来るか、出来る。

 

 

 意気揚々と開始した二次学習ですが現実は我々に対し、「頓挫」の二文字を灯して来やがります。1日5回以上・警告音付きで脳内表示されるこの二文字は、小説にでも登場する五里霧中を進む軍団将卒の焦りを容易に、現代の我々に再現してくれるのですけど「真面目に取り組んだがこんな模範解答が書けるようになるとは思えない」であったり「C評価答案がなぜ低得点か理由不明」などに陥り脳内は、さらに激しいアラーム音が響き始めまして、残り少ないヤル気をさらに減損させます。それでも進軍すると今度は、「A評価答案がなぜ6割ゲット文なのか分らない」ですし、「ホントにコレが高得点なの?シンプルに過ぎないか?」「予備校の自己満足なんじゃない?」な疑念も、浮かんで来ましてさらにモヤモヤ。ノイローゼ寸前でそれでも吠え進むと、「解説を真面目に読むけど初見問題へ応用展開デキルとは思えない」ですし、「いたずらに迷走時間だけが増えていって、学習をする程点数が下がっていく」とかの、袋小路に陥ります。おかげで事例IVは本日も、手付かずで時間を投下出来てません。これはもう正に、中小企業経営者と同じ迷宮に二次受験生は導かれた、そんな状態と言ってよいでしょう。「詳細かつ具体的に書いたら字数が足りないし、簡略化すれば『一般論に過ぎる』な添削コメくるし、いったいどーすりゃイイのよ」・・・・・・ダメダメ状態ですよね、だって試行錯誤が得点に、結びついていないんだもの。

 この種の悩みですけれども、我々に対し得点保証をくれるような教材は、存在するんでしょうか。真面目に努力することは十字を切って誓うけど、報われる方向性を提供してくれるような、教材です。果たして存在するのか。あるいは、試行錯誤の期間を短縮し仕事との両立も可能ならしめ、かつ、今後の学習の方向性を明確に示してくれるような、そんな教材は存在するのか。さらに希望するならば、仕事の空き時間なども活用出来て二次学習をタイムマネジメント面でも効率化、してくれるようなそんな教材です。存在するのでしょうか。存在するのです。

 今回は事例III だけに絞りますけれども、台風災害・土砂崩れのカオスな現場を受け持ちながら、寅壱の建設作業着姿社員&職人とのケンカ時間の合間に二次学習を進めるなかで迷走期間に突入し、そこで邂逅したことでこれら、仕事と学習の両立を果しえた情報になるのですけれども、存在するのです。この教材は、

・ 開示請求に基づいた信頼性の高い解答例が掲載されてある。

・ 80分間内で作成可能な答案である。

・ 与件情報の切り分けが明快になり、試験時間内での迷走を削減してくれる。

・ 学習の方向性が明確化され得点力向上のための良質の課題を提供してくれる。

・ 安価である。

 

 の諸条件を満たすのですけれども、こちらです。
中小企業診断士試験 一発合格道場 » Blog Archive » 【永久保存版】平成29年度2次試験事例Ⅲ超高得点解答にみる2次試験合格のポイント!

中小企業診断士試験 一発合格道場 » Blog Archive » だいまつが教える事例Ⅲ攻略の極意

 

 このご解説に出会わなかったら私はいったい、どうなっていたか分かりません。そして合格発表前のこの時期に、どうして私が「恰も合格したかの様な事を言えるのか」ですが、それはもう、この「だいまつ」氏blogが理由なのです。このご解説を基に今年の平成30年・事例III にて、私は高得点をゲット出来たと(得点開示請求前に)断言デキルのは「だいまつ」氏ご解説の賜物なのでして、これを読むことにより所持各テキストの解説真意が理解出来、独学が可能となったんです。おかげで「世のテキストは難解過ぎて読めなーい」(渡辺謙風に発声)な私が、運転免許学科試験に2度もオチたこの私があの事例IIIでの切り分け迷走を低減させ、かつ、初見問題への応用展開が旧帝国海軍並みの即応機動となれた次第。どこの予備校の、どこのテキストにもここまで明快な解説は存在しないと思えるのがこのblogでの、「だいまつ」氏ご解説です。菊川怜が受験生ならだーいすきと感激するくらいの、だいまつルーペ。皆さんもこの、答えが見えだすルーペで座ったくらいじゃ壊れない、さすがメイド・イン・ジャパンな実力を身に付けましょうよ。

 

 ・・・・・・ところでこの試験は、真理の追究を目的とはしておりません。追求するのはあくまでも「得点であるべき」です。制限時間&字数内での最大得点を獲得した上で、さらに云えば、仕事や家庭と学習の両立を果たす必要があるわけですが、この、「だいまつ」氏ご解説はその意味で必見、になるでしょう。今年平成30年の事例IIIですが、私は「貯金科目化」した上で「疲労回復のための癒しの時間」にすることが出来ました。合格発表前の(リスキーな)断言ですけれども事例IIIは、出来ます。・・・・・・・・・・貯金科目化と癒し時間化は事例III、「出来るか」と問われれば「出来る」です。

 

 

「解く」一次試験、「従う」二次試験

 経営者ではなくって、学者なんです。学者に提出するのが診断士試験に於ける二次です。ここを間違うと私みたく、かなりコジらせてしまいます。現時点ではそう、考えるでしょうかね。

 ところで「最近の子供は仮想現実(ゲーム)と現実の区別がついていない」とは、TV等を通じ人口に膾炙されてますが、出題者の学者だってもう(10年前のリーマンショックで死にかけた身からすれば)立派な子どもです。経営での仮想現実と現実の区別がついてるならば土建屋と小売との連携、こんなキラキラネームめいた方向性を満点答案なんかにゃせんのです。毎月決まった日に決まった額の給与が口座にポンッ、と振り込まれる生活を30年以上送っておられる方々ですし、土建屋経営者から見ればセレブ階級?な方々が出題者なんですけど彼等センセイが、体験ではなく脳内で考えた「事業経営」・・・・・・・・・これが二次では全てです。余計な仕事経験なんかございますと、そしてそれを解答欄なんかに書いちゃいますと、点数はあまり貰えません。そこでは「出題者は現場が分かっとらん!」なんて激怒しようが、ムダですし怒る人がアホなんです。模範解答は「女性社員のモラ~ル向上」なんですから仮想現実界のこの、意識高い系な解決策とやらに我々は、付き合う必要があります。そうですよね、モラール向上させればイイんですね、もうセンセイってばホント天才・・・・・・と心で唱えましょう。

 

 話はやや飛ぶかもしれませんが、「従う意識」です。これ、もう、ものスゴク重要です。解こうとか挑もうとか、してませんか?一年前の私はそうでした。「試験だから解くんだ」です。

 

 ちょっとした意識の差になりますけども、解こうとかかるとドツボにハマります。解こうとするから、編み出そうとするんです。第三段落のなんちゃら成形加工技術を、第十一段落の女性社員活用とからめて、なにが言えるか・・・・・・とか考え出すと、もう、ダメ。「第五段落までも絡めれば真因は、連携不足ではなく『製造第一課と品質管理課以外』にも要因ありなのでは?」なのであり、事業経験がある人ならば「単に連携の不足だけじゃナイよな」になりがちなんですが、それでもそう、「従う」んです・・・・・・・・・  

 設問要求に「従う」、模範解答の方向性に「従う」、異論を挟まずに「従う」・・・・・・・なぜならこの場は、審査員絶対なんです。いくら視聴者(=リアル経営者)から称賛を得ようともお仲間界の重鎮に認められなきゃ、芸人にはなれんのです。一般人にバカ受けしててもオール巨人師匠から「品がないヤクザな芸だ」、そう言われたら即、退出を強いられる世界なんです。「そんな解答いらんのや!そこは、モラール向上やろうが!」・・・・ここは反論するよりも先ずは我々、師匠を称賛することから始めましょう。そして当面は「モラ~ル向上で組織活性化」を(笑いを堪えながら)解答欄に記入して、立派なお笑い芸人になることを目標としましょう。 (文中お笑い芸人を「中小企業診断士」に訂正します)

 従うのです。なぜならこの場を支配してんのは、リアル経営者ではなく重鎮「経営学者」な先生方なのですから。


提出先を間違う = コジらせる

 

 

 診断士・二次試験ですけれどもコジらせますよね、突然ですが。

 私の場合は二次試験、14カ月を投下したんですけれども、その内12カ月は、そんな状態でした・・・・・もう「なにがナンだか解んない」という、ね。そんな感じです。そして、さらに突然ですが、ココで問題です。以下問題の空欄を埋めてください。

 

――――――――――――――――――――――――

【問題】

中小企業診断士・二次試験とは、(      )に対して提出する経営診断報告書である。

――――――――――――――――――――――――

 

 はい、この問題なんですけどココで、この空欄に、「社長さん」とか入れちゃってる間はこの試験、コジらせます。少なくとも経験談では、そう言えるんですけども本日は、そんなお話です。  

 ところで診断士試験の二次ですが、学習していると「なんでコレが正解なんだろう」てな模範解答に、遭遇することが多いですよね。A社の課題を問われた際に、ですよ・・・・・与件文を読んで例えば、設問をあたる際に「ええと『社員の長期雇用のため』が設問要求で、正規社員と比べて非正規社員が多いからA社は、社長へ診断書を提出するならば、ええと」とか考え始めて、「この社長はたぶん、お金にウルサイ人なんだろう。だから非正規雇って人件費をウカせようーとかしてんだろう、だから」になり、そして「だから、ええと、長期雇用の課題は」てな方向に思考がイクんです。「ええと、緊張するなあ、どう、伝えればイイんだろう」で思考グルグルになりますが、なにせ二次試験とは、ダダンッ、

 

「社長へ提出する診断書です」(キリッ)

 

 とこう、言われて(脅されて)いるわけです。緊張感ゆえに社長さんに対し真面目な方ほど、解答を細かくいこうとか、スルんですよね。だって、そうですよね何せ、社長へ提出するんだもの。中小企業の命運がかかってますし、「相当細かくエレガントなソリューションを書かないと」になるってば、思考はどうしても。そうでしょう?そうですよね。

 なのに、でも、ああなんで、どーして・・・・・以下は涙なしには読めないんですが模範解答には、「組織文化の活性化を図る」とかが正解になっており、「ええ!?」になるという・・・・・・・・・この「ええ!?」は経験者ならば、解りますよね。ドレミファで云えば〝シ〟音階くらいの「ええ!?」であり、「答えってこんな程度でイイの!?」という衝撃波を伴います。正解ですが、しかも満点の模範解答ですが、そこに漂うアッサリ感が、ハンパない・・・・・それがこの試験なんですよね。  

 それでは、空欄に埋める言葉はいったい、何でしょうか。答えにいく前に関連する余談などを披露しましょう。

 先日、経営者仲間を訪れた診断士クンがいたんです。そしてココに、経営者と二次試験正解との間の、ギャップの一端を見るんですけども、さて、この診断士クンですが、知人経営者を1時間ヒアリングして後、キリッとした表情で「社長」と、こんな提案をしてきたんだそうです。

 

「社長、御社は解決策として、名刺に、

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・顔写真を入れましょう」

 

  ・・・・・事例IIかっ、さつまあげ事例かっ。なんですが「これでカネ取るのか」と経営者友人は爆笑してましたけれでも、ま、これ、二次試験では正解ですよね。でも正解は正解でもそのレベルを「具体的ソリューション」とか思いこんでいる受験生がもしもあらば、そいつは中小企業社長を、ナメ過ぎてます。それでもこれが、正解になる世界が二次なんでして我々はこんな、あっさり感に悩むという。あるいは解決策として「ニーズ収集とぉ〜適切な市場選択ですよぉ〜」なんて言ってりゃ試験としては正解でも社長にすれば、「そんな事は分かってんのよ」に、なると思います。「そのニーズ収集と適切な市場選択だけど、そんなことは分かってんの。でも、その方法が分かんないで困ってる」「あんたから教えてもらいたいのは、どーすりゃ出来るのかの、具体的アドバイス

 ・・・少なくとも私はそう聞き返すでしょうし、経営者仲間も同じ事を、聞き返すと思うんです。

 飛び飛び話をまとめますがあの、「二次試験とは」に関する呪縛、つまり、「社長が実行可能なものを提案する。これこそが、二次試験」と言う思い込みですが、これを脱する事が試験直前2カ月の私の課題になってました。この思い込みに囚われてる間は、すなわち「社長が読むんだ、社長へ提出する提言だ」な方向を追い求めたりすると、制限時間も字数も足りなくなると言う、そんな試験と化していたわけです。「二次試験とは中小企業社長への提案書である」・・・・・・そう言われてましたんで今までの私は、例えば解答をする際に踏み込んだ内容を志向してました。つまり、模範解答からすると、かなり飛んでいたワケです。詳しくのべれば模範解答レベルでは社長から笑われる、と判断しもう少し踏み込んで解答欄に、「ニーズを把握するための具体案」とか「得意技術を活かせる具体的市場名+その理由」とか、そんな事を記述しようとしてたんですね。そして結果、制限字数や時間に追われてたと言う・・・  模範解答はあっさりしてんのに。

 

 話は最終章です。そして正解の発表です。空欄内に入る言葉ですが正解は、社長ではなく「学者」です。提出先を間違えますと、この試験はコジらせます。そして本日のお話は、ここまで。

他人ではなく「自分のキモチ」を踏みにじろう。

 

 ヤル気不要論を説きますよ、今からね。ヤル気なんてものはこの試験では、不要です。いやね、よくいるでしょう、モチヴェーションですが「なかなかつづかないんデス」系の方。(オレを含む)そんな方々に敢えて伝えたいのは、ヤル気等の自分のキモチですけど「そんなに必要なものなんですか」と。―― そんなに重視しなきゃいけないものですかね。自分のキモチとやらですがこの辺を今回は、整理してみたい。

 ところで企業経営者は、月末の支手決済をどう対処するのかご存知ですか。

 月末に2,000万円の手形決済を迎えるとしましょうか。けど、口座には現在、100万円しかありません。そんな状況です。そして云う間でもなく残り1,900万を用意しなきゃ倒産、しちゃうわけなんですがさて、この際に採られる経営者の態度は、かなり参考になります。彼等経営者ですけどいったい、どうするのかと云いますとその答えは、「ただヤル」です。

 

 もう、それだけ。それしかない。

 

 ただヤルんです。手形期日を、守るんです。

 

 「ヤル気が湧かないんです!だから、ヤル気を出す方法をクダサイ!」「なんちゃら理論のモチベアップ技術を参考に!ヤル気をアップさせて!」なんてこと言っているその間にも、ほら、2,000万円の手形決済期日は迫ってくるのです。ですからね、もう、そんな状態でやるべき事は、ヤル気スイッチの場所を探すことじゃナイんです。不足分の現ナマ集めになるんです、取り掛かることってのは。だって、そうでしょ?

 そして、それこそが唯一有効です。探すのはヤル気ではなく現ナマ、ここが重要なんですけど経営者は問題対処の最中ですが、「そこにヤル気なんてナイ」んです。誰が熱意を持てますかって、そんな、「おカネ貸してよ~」なんて頭さげる仕事に。

 一次・二次試験の本番は、受験生にとっての支払手形の決済日に当たります。この日、答案用紙と云う名の〝口座〟に、決済条件を満たす知識を入金しておく必要があるんです。ヤル気の有無ではなく必要なのは、6割ゲット可能な知識量なんです。いやね、そんなルールになってんのに、どーしてそんな「ヤル気湧かね~」な自意識に、生真面目に付き合う必要があるんでしょうかね。そしてその、自分のキモチってヤツに対し、ですよ、うやうやしく頭を下げて、ご機嫌を伺いながらどーしてお願いをせにゃならんと、云うのでしょうか。「お願いです、ヤル気を出してください」と・・・・・よくよく考えてみると、かなりバカバカしい行為です。

 ヤル気湧かせてくれたら勉強をしてやる、そういうキモチに向かって縷々切々と「勉強をしなきゃイケナイ理由」とやらを説明、我々は必死でやりますけどもそもそも、そこまで相手にせにゃならんヤツではないはずなんです。「ふむ!よく解った!それでは勉強をしてあげる」とするそのキモチって、ホンモノの自分なんでしょうかね。釈尊が虚仮(こけ)と表したニセモノの自分、コイツを「ふむ!」と納得させなきゃ支手決済やお勉強、条件を満たせないとでも言うのかい?・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・ところでこの種のヤル気不要論を説きますとね、必ず「ツラくなりませんか?」と聞かれます。答えは「そりゃツライよ」ですけど、でもね、「ツラくなりませんか?」と聞いてくる自分のキモチには、「ツラかったらなにか不都合でもあるのか?」と問い返しますね。「お前はこの世に、お客さんとして来てんのか?」とも、問い返したくなります。「そのお客さん意識はいったい、何なんだ」とも・・・・・・・・・・いやね、つまり、お客さん意識なんですよ、その、「ツライ事が起こる=悪」みたいな思想はね。新興宗教よりも性質が悪いですよ、大げさではナクね。

 当事者意識とは何でしょう。経営者なら期日までに、必要な現金を口座に入金することなんです。そして受験生ならば試験の日までに、必要な知識を身に付けておくことなんです。だから、先ず以ってお客さんであることを降りるのですよ、自分の人生に於いて。さっきも言いましたがそんなにも、大切なモンでしょうね、「自分のキモチ」とやらですが・・・・・・・・

 まとめに入りますけども、お客さん意識を持ったままだからツライんですよ。オレ様は世の中から、良くされてアタリマエなのだ、な、お客さん意識を持ったままだから、ツライんです。6割ゲットよりも「自分のキモチ」なんてモンに優先順位、高く付けちゃうからツライんです。心がさめざめと波を打つあの、不安状態を脱するのっていったい、そこまで大切なモノなんでしょうか。勉強とか支手決済がなきゃ自分のキモチはまあ、動揺することはないですけども、それでも、動揺してるキモチ状態がいったい、何だと言うのだ。動揺するなら、動揺したままで良いではないか。まして「心が折れる」っていったい何だ。折れたなら、折れたままヤレばいいじゃねーか・・・・・そうは思いませんか。

 疲れたらダメ、興味が湧かなきゃダメ、面倒はダメ、キモチが乗らなきゃダメ、そんなものを我々は「自分のキモチ」と表してます。そしてそんな、ニセモノを説得しようと連日、格闘するワケですがそもそも、相手にしなくてもイイんです。そしてそんな、サボりたくなるキモチとは間違っても、勝負してはいけません。「無視するに限る」ってなお話なんです、これ。他人の気持ちは平気で踏みにじるクセに、我々はこの「自分のキモチ」とやらをどうして、そこまで重要視するんだろうか。そしてどうして、踏みにじれないんだろうか。踏みにじるべきは他人ではなく、自分のキモチでしょうに。

平成30年 事例III 与件本文

【C社の概要】

  C社は、1974年の創業以来、大手電気・電子部品メーカー数社を顧客(以下「顧客企業」という)に、電気・電子部品のプラスチック射出成型加工を営む中小企業である。従業員数60名、年商約9億円、会社組織は総務部、製造部で構成されている。

  プラスチック射出成型加工(以下「成型加工」という)は、プラスチックの材料を加熱融解し、金型内に加圧注入して、固化させて成型を行う加工方法である。C社では創業当初、顧客企業から金型の支給を受けて、成型加工を行っていた。

 C社は、住工混在地域に立地していたが、1980年、C社同様の立地環境にあった他の中小企業とともに高度化資金を活用して工業団地に移転した。この工業団地には、現在、金属プレス加工、プラスチック加工、コネクター加工、プリント基板製作などの電気・電子部品に関する中小企業が多く立地している。

 C社のプラスチック射出成型加工製品(以下「成型加工品」という)は、顧客企業で電気・電子部品に組み立てられ、その後、家電メーカーに納品されて家電製品の一部になる。主に量産する成型加工品を受注していたが、1990年代後半から顧客企業の生産工場の海外移転に伴い量産品の国内生産は減少し、主要顧客企業からの受注量の減少が続いた。

 こうした顧客企業の動向に対応した方策として、C社では金型設計と金型製作部門を新設し、製品図面によって注文を受け、金型の設計・製作から成型加工まで対応できる体制を社内に構築した。また、プラスチック成型や金型製作にかかる技能士などの資格取得者を養成し、さらにOJTによってスキルアップを図るなど加工技術力の強化を推進してきた。このように金型設計・製作部門を持ち、技術力を強化したことによって、材料歩留り向上や成型速度の改善など、顧客企業の成型加工品のコスト低減のノウハウを蓄積することができた。

 C社が立地する工業団地の中小企業も大手電気・電子部品メーカーを顧客としていたため、C社同様工業団地に移転後、顧客企業の海外移転に伴い経営難に遭遇した企業が多い。そこで工業団地組合が中心となり、技術交流会の定期開催、共同受注や共同開発の実施などお互いに助け合い、経営難を乗り越えてきた。C社は、この工業団地組合活動のリーダー的存在であった。

 近年、国内需要分の家電製品の生産が国内に戻る傾向があり、以前の国内生産品が戻りはじめた。それによって、C社ではどうにか安定した受注量を確保できる状態になったが、顧客企業からの1回の発注量が以前よりも少なく、受注量全体としては以前と同じレベルまでには戻っていない。

 最近C社は、成型加工の際に金属部品などを組み込んでしまう成型技術(インサート成型)を習得し、古くから取引のある顧客企業の1社からの受注に成功している。それまで他社の金属加工品とC社の成型加工品、そして顧客企業での両部品の組立という3社で分担していた工程が、C社の高度な成型技術によって金属加工品をC社の成型加工で組み込んで納品するため、顧客企業の工程数の短縮や納期の短縮、そしてコスト削減も図られることになる。

 

【生産概要】

 製造部は、生産管理課、金型製作課、成型加工課、品質管理課で構成されている。生産管理課は顧客企業との窓口になり生産計画の立案、資材購買管理、製品在庫管理を、金型製作課は金型設計・製作を、成型加工課は成型加工を、品質管理課は製品検査および品質保証をそれぞれ担当している。

 主要な顧客企業の成型加工品は、繰り返し発注され、毎日指定の数量を納品する。C社の受注量の半数を占める顧客企業X社からの発注については、毎週末の金曜日に翌週の月曜日から金曜日の確定納品計画が指示される。C社の生産管理課ではX社の確定納品計画に基づき、それにその他の顧客企業の受注分を加え、毎週金曜日に翌週の生産計画を確定する。日々の各製品の成型加工は、各設備の能力、稼働状況を考慮して原則週1回計画される。また、生産ロットサイズは長時間を要するプラスチック成型機(以下「成型機」という)の段取り時間を考慮して決定される。生産効率を上げるために生産ロットサイズは受注量よりも大きく計画され、製品在庫が過大である。C社の主要商品で、最も生産量が多いX社製品Aの今年7月2日(月)から7月31日(火)までの在庫数量推移を図1に示す。製品Aは、毎日600個前後の納品指定数である、C社の生産ロットサイズは約3,000個で週1回の生産を行っている。他の製品は、毎日の指定納品数量が少なく、変動することもあるため、製品A以上に在庫管理に苦慮している。

 成型加工課の作業は、作業者1人が2台の成型機を担当し、段取り作業、成型機のメンテナンスなどを担当している。また全ての成型機は作業者が金型をセットし材料供給してスタートを指示すれば、製品の取り出しも含め自動運転し、指示した加工を終了すると自動停止状態となる。

 図2で示す「成型機2台持ちのマン・マシン・チャート(現状)」は、製品Aの成型加工を担当している1人の作業者の作業内容である。

 成型機の段取り時間が長時間となっている主な原因は、金型、使用材料などを各置き場で探し、移動し、準備する作業に長時間要していることにある。図2で示す「成型機1の段取り作業内容の詳細」は、製品Aの成型加工作業者が、昼休み直後に行った製品Bのための段取り作業の内容である。金型は顧客からの支給品もまだあり、C社内で統一した識別コードがなく、また置き場も混乱していることから、成型加工課の中でもベテラン作業者しか探すことができない金型まである。また使用材料は、仕入先から材料倉庫に納品されるが、その都度納品位置が変わり探すことになる。

 顧客企業からは、短納期化、小ロット化、多品種少量化がますます要望される状況にあり、ジャストインタイムな生産に移行するため、C社では段取り作業時間の短縮などの改善によってそれに対応することを会社方針としている。

 その対策の一つとして、現在、生産管理のコンピュータ化を進めようとしているが、生産現場で効率的に運用するためには、成型加工課の作業者が効率よく金型、材料などを使用できるようにする必要があり、そのためにデータベース化などの社内準備を検討中である。

 

 

平成30年 事例II 与件本文

 B社は、X市市街中心部にある老舗日本旅館である。明治初期に創業し、約150年の歴史を持つ。2年前、父親である社長が急死し、民間企業に勤めていた30歳代後半の長男が急きょ事業を承継することになり、8代目社長に就任した。資本金は500万円、従業員は家族従業員3名、パート従業員4名である。このうち1名は、つい最近雇用した英語に堪能な従業員である。客室は全15室で、最大収容人員は50名、1人1泊朝食付き7,500円を基本プランとする。裏手には大型バス1台、乗用車6台分の駐車場がある。 

 簡素な朝食は提供しているものの、客室稼働率に上下があり食材のロスが発生するという理由と調理人の人件費を削減するという理由から、創業以来、夕食は提供していない。宿泊客から夕食を館内でとりたいという要望がある場合は、すぐそばにある地元の割烹料理店からの仕出しで対応している。これまで何度か小さな増改築を行ってきたが、現在の宿泊棟は築45年である。客室には基本的にずっと手を加えていない。畳と座卓、障子、天井吊り下げ式照明のある、布団を敷くタイプの古風な和室である。館内には大広間があり、その窓からは小ぶりだが和の風情がある苔むした庭園を眺めることができる。大浴場はないため、各部屋に洋式トイレとバスを設置している。歴代の社長たちは皆、芸術や文化への造詣が深く、執筆や創作のために長期滞在する作家や芸術家を支援してきた。このため、館内の廊下や共用スペースには、歴代の社長たちが支援してきた芸術家による美術品が随所に配置され、全体として小規模な施設ながら文化の香りに満ちた雰囲気である。この中には、海外でも名の知られた作家や芸術家もいる。

 X市は江戸時代から栄えた城下町である。明治時代までは県内随一の商都であり、教育や文化支援にも熱心な土地柄であった。X市市街地は、北側は城址付近に作られた官公庁街、東から南側にかけては名刹・古刹が点在する地域となっており、西側には商都の名残である広大な商業地域が広がっている。B社は創業時からちょうどこの中央に立地し、これらのエリアはいずれも徒歩圏内にある。B社から最寄り駅までは公共バスを利用して20分強かかるが、現在、この間を結ぶバスは平均すると1時間に5~6本程度運行している。この最寄り駅からは国内線と国際線の離発着がある空港に向けて毎日7往復の直通バスが走っており、駅から空港までの所要時間は1時間40分ほどである。

 X市市街地の中でも、商業地域の目抜き通りには江戸時代の豪商や明治時代の実業家が造り上げた厳かな大型建造物が立ち並ぶ。この通りは現在でも商業地域の顔である。400年以上続くとされる地域の祭りでは、市内各地を練り歩いてきた豪勢な何台もの山車がこの通りに集結するタイミングで最高の盛り上がりを見せる。夜通し続くこの祭りの見物客は近年、年々増加している。街の一角にはこの祭りの展示施設があり、ここを訪れた観光客は有料で山車を引く体験ができる。X市商業地域には、歴史を感じさせる大型建造物が残る一方、住民を対象にした店舗もたくさんある。普段遣いのお店から料亭、割烹料理店までのさまざまなタイプの飲食店をはじめ、各種食料品店、和装店、銭湯、劇場、地元の篤志家が建設した美術館などの施設が集積している。

 10年ほど前、X市の名刹と商業地域が高視聴率の連続ドラマの舞台となり、このエリアが一躍脚光を浴びた。これを機に、商業地域に拠点を持つ経営者層を中心として、このエリア一体の街並み整備を進めることになった。名刹は通年で夜間ライトアップを行い、地域の動きに協力した。地域ボランティアは観光案内や街の清掃活動を行い、美しい街並みと活気の維持に熱心である。こうした影響を受け、最近では、ほとんどいなかった夜間の滞在人口は増加傾向にある。

 X市は大都市圏とも近く、電車で2時間程度の日帰りできる距離にある。古き良き時代の日本を感じさせるX市の街のたたずまいは観光地として人気を集めている。2017年時点で、X市を訪れる観光客は全体で約500万人、このうち約20万人がインバウンド客である。商業地域には空き店舗があったが、観光客が回遊しそうな通り沿いの空き店舗には地元の老舗商店が出店して、シャッター通りにならないための協力体制を敷いた。食べ歩きできるスイーツや地域の伝統を思わせる和菓子などを販売し、街のにぎわい創出に努めた。歴史ある街並みに加え、こうした食べ物などは写真映えし、SNS投稿に向く。そのため、ここ数年は和の風情を求めるインバウンド客が急増している。

 一方、B社のビジネス手法は創業時からほとんど変わっていなかった。明治時代から仕事や執筆・創作活動のために訪れる宿泊客が常に一定数いたため、たいしたプロモーション活動を行う必要性がなかったのが理由である。それに気づいた8代目は就任して1年後、館内に無料Wi-Fiを導入し、B社ホームページも開設した。これにより、それまで電話のみで受け付けていた宿泊予約も、ホームページから外国語でも受け付けられるようになった。また、最低限のコミュニケーションが主要な外国語で図れるよう、従業員教育も始めた。

 B社から距離の離れた駅前にはチェーン系ビジネスホテルが2軒ほどあるが、X市市街地中心部にはB社以外に宿泊施設がない。かつてはB社と似たようなタイプの旅館もあったが、10年以上前に閉鎖している。B社周辺にある他の業種の店々は、拡大する観光需要をバネに、このところ高収益を上げていると聞く。B社だけがこの需要を享受できていない状態だ。

 8代目は事業承継したばかりで経営の先行きが不透明であるため、宿泊棟の改築などの大規模な投資は当面避けたいと考えている。既存客との関係を考えると、宿泊料金の値上げにも着手したくない。打てる手が限られる中、8代目が試しに従来の簡素な朝食を日本の朝が感じられる献立に切り替え、器にもこだわってみたところ、多くの宿泊客から喜びの声が聞かれた。こうした様子を目にした8代目は、経営刷新して営業を継続したいと考えるようになり、中小企業診断士にその方向性を相談した。