机上に踊る胆と熱

中小企業診断士試験についての(役に立つ)所感

「解く」一次試験、「従う」二次試験

 経営者ではなくって、学者なんです。学者に提出するのが診断士試験に於ける二次です。ここを間違うと私みたく、かなりコジらせてしまいます。現時点ではそう、考えるでしょうかね。

 ところで「最近の子供は仮想現実(ゲーム)と現実の区別がついていない」とは、TV等を通じ人口に膾炙されてますが、出題者の学者だってもう(10年前のリーマンショックで死にかけた身からすれば)立派な子どもです。経営での仮想現実と現実の区別がついてるならば土建屋と小売との連携、こんなキラキラネームめいた方向性を満点答案なんかにゃせんのです。毎月決まった日に決まった額の給与が口座にポンッ、と振り込まれる生活を30年以上送っておられる方々ですし、土建屋経営者から見ればセレブ階級?な方々が出題者なんですけど彼等センセイが、体験ではなく脳内で考えた「事業経営」・・・・・・・・・これが二次では全てです。余計な仕事経験なんかございますと、そしてそれを解答欄なんかに書いちゃいますと、点数はあまり貰えません。そこでは「出題者は現場が分かっとらん!」なんて激怒しようが、ムダですし怒る人がアホなんです。模範解答は「女性社員のモラ~ル向上」なんですから仮想現実界のこの、意識高い系な解決策とやらに我々は、付き合う必要があります。そうですよね、モラール向上させればイイんですね、もうセンセイってばホント天才・・・・・・と心で唱えましょう。

 

 話はやや飛ぶかもしれませんが、「従う意識」です。これ、もう、ものスゴク重要です。解こうとか挑もうとか、してませんか?一年前の私はそうでした。「試験だから解くんだ」です。

 

 ちょっとした意識の差になりますけども、解こうとかかるとドツボにハマります。解こうとするから、編み出そうとするんです。第三段落のなんちゃら成形加工技術を、第十一段落の女性社員活用とからめて、なにが言えるか・・・・・・とか考え出すと、もう、ダメ。「第五段落までも絡めれば真因は、連携不足ではなく『製造第一課と品質管理課以外』にも要因ありなのでは?」なのであり、事業経験がある人ならば「単に連携の不足だけじゃナイよな」になりがちなんですが、それでもそう、「従う」んです・・・・・・・・・  

 設問要求に「従う」、模範解答の方向性に「従う」、異論を挟まずに「従う」・・・・・・・なぜならこの場は、審査員絶対なんです。いくら視聴者(=リアル経営者)から称賛を得ようともお仲間界の重鎮に認められなきゃ、芸人にはなれんのです。一般人にバカ受けしててもオール巨人師匠から「品がないヤクザな芸だ」、そう言われたら即、退出を強いられる世界なんです。「そんな解答いらんのや!そこは、モラール向上やろうが!」・・・・ここは反論するよりも先ずは我々、師匠を称賛することから始めましょう。そして当面は「モラ~ル向上で組織活性化」を(笑いを堪えながら)解答欄に記入して、立派なお笑い芸人になることを目標としましょう。 (文中お笑い芸人を「中小企業診断士」に訂正します)

 従うのです。なぜならこの場を支配してんのは、リアル経営者ではなく重鎮「経営学者」な先生方なのですから。