机上に踊る胆と熱

中小企業診断士試験についての(役に立つ)所感

結局は「設問要求」なのだよ、セニョリータ

 

 このblogは一年前の自分に対し、診断士試験に関して「今だったらどんなアドヴァイスを行うか?」と云った・・・・・・・・タイムマシン観点からの記述になろうかと思います。あの頃にここが分っていたらもう少し、効率的に学習できたよなあと云う、反省文になりますかね。そんな感じです。

 ゆるやかに話を開始しますけども仕事との両立上、診断士受験では「ムダなことはしたくない」わけです、アタリマエですけどね。でも、一年前の自分と云えば「いったい何すりゃいいの?」な状態だったわけです。今であればズバリ、答えはあるよと言えるワケなんですが、それを記しておこうかと。そして、この試験に試行錯誤はつきものとは申せ、せめてその、グチャグチャにはみ出している試行期間の半円の面積を、出来るだけ小さい範囲の錯誤にすることで仕事と両立しながらの、得点効率のよい学習を進める指針めいたもの、コンパスの提供めいた、そんなものになればイイと思ってます。

 

 さて、ところで、結論を急げば結局のところ、「二次試験は設問要求なんだと思う」んです。菊池桃子命と彫刻刀で彫った時の、そう、あんな熱量程度じゃダメなんです。設問要求命を銘記する際はたとえば、国家の命運を賭すくらいのテンションが必要だ、それくらいに今は、思ってます。設問から要求されることですが、この指示を守れるかどうかです。そこが、合格か否かの岐かれ目なんだと思ってますね、一年前の自分に返答するとするならば。

 ・・・・この話、つづけますよ。過去の自分が今の私に「おい!」と問うてきます。「未来のオレよ!受験終了直後のオレよ!今の率直な感想を述べよ!」と。そして「いったい何すりゃいいの!?明確な指針を示せ!」とまあ、その種の問いになりますが、それへの返答が既述の「設問要求命」なんです。・・・・・「与件文が難化しようが易化しようが得点には、あまり関係がないんだ」と、クールに言ってのち続けて「難化/易化するのは与件文ではなくって、設問に於ける要求の部分なんだ」とか。そんな趣旨の回答を寄越すでしょうか。「信じられぬかもしれぬが」とも付記、するんでしょうね、疑い深い自分に対して。

 くどいくらいに話をつづけます。この試験ではこの、設問要求ってヤツになかなか応えられないんですね、私を含むたいはんの受験生が。頻発すると云ってもいいくらいにコロコロと要求、見落としていきます。そんな不思議さのある試験なんですよね。

 「課題を答えよ」になっているのにうっかり、「問題点」を書いちゃうんです。あるいは、「新規開拓以外の視点で」と制約がかかってんのにうっかり、「営業部の人員増強で新規開拓」を書いちゃうわけでもあります。不思議な事に嗚呼なぜか、敵方に塩を贈るダケのそんな事故が、(あの一次試験を突破してきた)受験生が起こすわけでありまして、そして、私を含むたいはんの受験生はそこで失点するわけなんです、「合否を岐けるレベルでの大幅な失点」を。

 よろしくて?貴方は設問要求に従える?忠実な下僕ですか?そんな人かどうか今から試しますわよ・・・・・・・・そんな悪趣味な変態的観点でふるいにかけているのが、中小企業診断士の二次試験なんだと感じてます。今は信じなくても構いませんけど、それでもここを知っているとかなりの確率で、失点は防げるようになります。さらには、高得点も(思い込んでいる以上に案外容易な作業&労力で)見込めるんですけどそう云えば、TACの三好先生がこの事態を、うまい譬えで表しておられましたね。曰く、

 

 「設問要求は『カレーを作れ』なのに、シチューを作っちゃう受験生がたいはんです」

 

 と。(TACのマワシモノではないんですが「うまい譬えだ」と、LEC生の私でも感じます)

 

 ・・・・さらにそう云えば大学のレポートとか、「とりあえず空欄埋めときゃ点数もらえた」んですよね。そう、「アレ」です。あの〝成功〟体験がひとつの障害です、診断士二次では、ですね。

 この、「とりあえず空欄を埋めてて点数を貰えた」な経験は、二次試験ではアウトです。「とりえずシチューを急いで作れ!」なこの態度、これが死を招くのです。出題者もその類型の学生だったんでしょうか、その種の受験生をふるいにかけるため、ベトコンゲリラ並みに巧妙なトラップを、種々埋め込んでおられます。「お、材料を見つけた。あ、ここにも良さそうな材料があった」と与件ジャングルを彷徨ううちに、「カレーを作れ」な要求を、忘却していくんです。「これだけキラキラな材料を多数見つけられた!オレッてばもう、ホント天才」とか思っていると、超上出来なシチューが出来上がりますが無残にも、「来年も受けにおいで」と宣告されちゃいます。

 この試験の勝利者は、至高のシチューを作るヤツではありません。「不味いですが一応はカレーです」と、女王陛下サマに差し出せる下僕なんです。そんなヤツが勝ちます。女王サマはそして、「他は美味シチューをアタシに出したが・・(余韻15秒)・・カレーを出してくれた下僕はソナタだけである」と笑み給うて後、「臣下となれ」とほうびをとらせてくださいます。